From : ダイヤモンドオンライン
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答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。プレゼン、企画書、報告書、メール、議事録。あらゆるシーンで活用されている。最新刊『超・箇条書き』の著者、杉野氏にその詳細を語ってもらう。
箇条書きを見れば、
その人のレベルがわかる。
「今話したことを、箇条書きにしてもらえませんか?」
学生や若手ビジネスパーソンと話していると、「流れるように話すが、何を言いたいかがわからない」という場面に出くわす。しかし冒頭の質問をすることで、「なぜ意味が理解できないか」を明らかにできる。
結論、あるいは結論に至るまでの論理の曖昧さが、箇条書きにすると一目でわかるからだ。
箇条書きを見れば、その人の思考、そして伝える力のレベルがわかる。
私は米国のシリコンバレーで、そして外資系のコンサルタントとして、グローバルビジネスの第一線の人たちと仕事をしてきた。ビジネススクール、INSEADのMBAプログラムでは、世界60ヵ国から集まった次世代のリーダーたちと一緒に学んだ。
それらを通じて、伝えることが傑出して上手い人たちと出会った。彼らに共通するのは、箇条書きが抜群に上手いということだ。
箇条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルだ。もちろん箇条書きという名称ではなく、世界的には「ブレットポイント(Bullet Points)」と呼ばれて使われている。
シリコンバレーで出会った起業家たちも、箇条書きを効果的に使う。プレゼンの最初と最後のページなど、鍵を握るところでだ。世界一ともいえるシリコンバレーの激しい時間競争の中で、目的や結論を短く、かつ魅力的に一瞬で伝え、投資家や従業員を動かしていた。
日本企業のビジネスパーソンが、目的や結論のわからないプレゼンを長々とし、相手に無視され、せっかくのチャンスを逃していたのとは対照的だった。
プレゼンというと、カラフルな図やグラフが並ぶものとイメージしている人も多いだろう。しかしプレゼンに限らず、人を動かすのに最も必要なのは「言葉」だ。その言葉を短く、魅力的にまとめた「箇条書き」がプレゼンの成否を握るのだ。
忙しい、時間がない。
だから箇条書き
外資系のコンサルタントも箇条書きを武器とする。経営者に短く、魅力的に伝え、彼らに動いてもらいたいときは、図やグラフではなく、箇条書きを敢えて選ぶ。
なぜ箇条書きなのか。クライアントの多くは企業の経営者で忙しい。そして時間がない。
このため、図やグラフによる分析や背景を聞くよりも、要点をすぐ理解したいのだ。コンサルタントは、伝えなくてはいけない要点を、短く、そして魅力的に伝えなくてはならない。
その手段として選ばれているのが、箇条書きだ。
したがって、プレゼンの成否を左右する箇条書きを、新人コンサルタントに任せることはない。チームの責任者がつくるのが普通だ。箇条書きは、図やグラフよりも、外資系コンサルのプレゼンにとっては1丁目1番地といえるのだ。
このように世界の最前線では、「短く、魅力的に伝える」ツールとして箇条書きが選ばれ、そして使われている。プレゼンに限らない。企画書・報告書づくり、メール作成、議事メモ、会議のファシリテーションなど、「短く、魅力的に伝える」箇条書きは、あらゆるビジネスシーンで使われている。
そこには共通の技術がある。わずか数行の箇条書きであっても、繊細で精巧な工夫が必要なのだ。
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