2016年7月3日日曜日

ボストン コンサルティング グループ 日本代表 御立尚資氏の洋楽英語学習法 "中学生時代のアマチュア無線と高校時代以降のバンド活動を通じての「英語の口真似」が、結果的にリスニング能力を高めてくれたようだ”



これまた、自分の体験に即しての意見になってしまうが、「声に出して真似ることができる音は、聞きとれる」という観察事実がある。完全な発音ではなくとも、発音記号を見た上で、外国人の発音を真似ていると、単語個々のレベルでは、ある程度さまになる。こうなれば、聞く際にも、その単語は理解できる。

 問題は、単語が組み合わさって文章になってきた際だ。音がつながったり、ピッチ、トーン、アクセントそれぞれが英語的に流れたりしていくと、(たとえ、個々の単語の意味が分かっていて、聞き取れるとしても)一定以上のスピードになった瞬間についていけなくなる。この状況の打破にも、個々の単語の場合と同様に、口真似が非常に効果があるようだ。

「口真似」がもたらす想像以上の効果

 私の場合は、お恥ずかしい限りだがきちんとした英語学習ではなく、
 海外のアマチュア無線家との会話というのは、実際のところ、決まり文句の組み合わせでほとんど終わってしまう。それでも最初のうちは、どう口に出せばよいか分からないので、基本的に、相手の発音と語り口の真似を繰り返すことになる。これは、耳慣らし・口慣らし両面で効果があった。

 さらにしばらくしてから、当初はロック系、その後はR&B系のバンドで歌うようになった。昔のことなので、オリジナルではなく洋楽のコピーだ。ディープパープルのハイウェイスターを歌うには、相当なスピードで英語の歌詞をシャウトすることになる。

 オーティスレディングをコピーして歌うと、(文法的にはかなり崩れた表現のものも多々あるが)節回しの中で、英語独特のリズム感が少しずつ身についてくる。こうやって、歌う方から入っていくと、そのうち、少しずつ聞き取る能力も上がっていったような気がする。

 最近は、シャドーイングと称して、ネイティブの語り口を真似ていく学習法が紹介されるようになっている。これも実は同様の考え方で、口に出すことを習慣づけ、それを通じて、聞く力の向上にもつながる、という観点があるようだ。

 今回ご紹介した話は、英語ではなく日本語で論理力を鍛えて、一石二鳥を狙う、とか、趣味を通じて、口真似から入ってリスニング能力も高める、といった具合で、「英語学習」を狭くとらえる向きからは、ひんしゅくを買うかもしれない。ただ、あまりがちがちに構えず、周辺から攻めることも考えた方が、効果も上がるし、何より楽しく学べるのではなかろうか。

 語学教育の専門家ではない立場から、3回も偉そうなことを書き続けてしまったが、「典
型的日本人」である読者の方々にとって、何か少しでもご参考になることがあれば、幸いです。1人でも多く、海外で英語で戦えるビジネスパーソンが増えることを願って。

From : 日経ビジネスオンライン
URL : http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20131112/255754/?P=3




 
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