2015年2月15日日曜日

音楽を聴くと快の感情が引き起こされる理由は進化と深くかかわっています




Cited from Lifehacker
URL : http://www.lifehacker.jp/2015/01/150104how_we_work.html


音楽で生き残る


音楽を聴くと快の感情が引き起こされる理由は進化と深くかかわっています。脳科学者であり、ミュージシャンでもあるJamshed Bharucha氏は、音楽のようなクリエイティブな領域には、集団としてのアイデンティティを発達させ、人と人とを結びつける力があると言います。
音楽を通じた集団としてのアイデンティティの発達は、最近、幼稚園児への実験でも確認されました。この実験では、園児のペアを24組作ります。全員におもちゃのカエルをいくつか見せ、実験者は「このカエルちゃんたちを歌か体操で起こしましょう」と園児たちに言います。そしてこの24組の子どもたちを2つのグループに分けます。
一方のグループはおもちゃのカエルの周りを、歌を歌いながら歩きます。もう一方のグループは、歌は歌わずに、別のカエルの周りを歩きます。その後で、園児たちはビー玉の詰まったチューブを渡されます。チューブの下は切ってあり、一番下のビー玉が床に落ちるようにしてあります。実験者は「ペアになっているお友達と協力してビー玉を拾ってね」と言います。すると一緒に歌を歌った子どもたちはビー玉を片づけるのによく協力し合うという事がわかりました。
この実験の結果から、研究者は、音楽が共同体意識を育て、お互いに共感意識を持つようになったのではないかと結論付けています。音楽の持つ力によって、私たちは脳の奥深くにある何かを刺激され、その時々で共感したり、互いに調和したりしながら人類は生き残ってきたのです。


音楽を聴くと仕事の効率はあがるのか?

音楽は「誰かとつながっていたい」という根源的欲求と強力に結びついています。このことは、仕事中に音楽を聴くという文脈ではどのように考えられるでしょうか。

音楽が退屈な作業を早く終わらせる

休暇明けにメールの整理は嫌だな、と思っていたり、月末の精算でエクセルの記入は面倒だな、と思っていたりする時に音楽は役に立ちます。好きな音楽を聴くことは楽しいからです。仕事が苦にならなくなるばかりか、研究で示されたように、音楽を聞くことで実際に仕事を早く終わらせることができます。
専門誌「Neuroscience of Behavior and Psychology(行動と心理学の神経科学)」という学術雑誌に掲載された研究によれば、画像や文字や数字への認識能力は、ロックやクラッシックがバックグラウンドミュージックとしてかかっていると、音楽がかかっていない場合より、より速くなるとのことです。
似たような効果が、音楽をかけて工場の組み立てラインで働く際にも確認されています。組み立てラインで働く人々が音楽を聴きながら仕事をすると、もっと楽しく、効率的に仕事がはかどり、ミスも少なくなったということです。どんなジャンルの音楽でも、何かを聴きながらなら、退屈な単純作業も、もっと楽しくやれてはかどります。


得意なことをする時に音楽を聴く

音楽の魔法は、たとえ外科手術のような難しいことであっても、あなたが何か得意としていることをしている時に、最もよく発揮されます。専門誌『Journal of the American Medical Association』に掲載された研究で、外科医は手術中に自分の好きな音楽が流れている時が最も仕事に集中できる、という報告がありました。嫌いな音楽を聴きながら、がその次で、一番仕事に集中できないのは、音楽なしで手術する場合でした。
以前に何度もやったことのあることなら、たとえ複雑な作業であっても、好きな音楽を聴きながら行えば、パフォーマンスは伸び、ミスは少なくなります。

緊張がほぐれる

音楽の好みは様々ですが、好きな音楽を聞けば、緊張もほぐれます。作家のスティーブン・キング氏は、仕事中はハードロックを聴くと言っています。ハードロックでも、アコースティック・ジャムでも、それを聞きながらやれば作業がはかどるなら、その音楽がまさにあなたが選ぶべき音楽です。

聞いたことのある音楽を選ぶ

もし仕事中に初めて聞く曲(特に歌詞付きの)を「いい曲だな」思ったら、脳からドーパミンが出過ぎています。目の前の仕事より、その曲の方に集中してしまうのです。何か新しいことを学ぼうとしている時にドーパミンが出過ぎてしまうと、目の前のことへの集中力と興味が失われるということになりかねません。目の前のことより、今聞いた好みの音楽の方が快の感情をもたらすからです。
仕事中は新しい曲ではなく、自分のプレイリストに既に入っているお気に入りの音楽を聞いた方が良いでしょう。もし、新しい音楽を聞きたいなら、歌詞があまり入っていないか、まったく歌詞のないものにしましょう。

インストゥルメンタルが最適

作業がはかどると証明されている音楽のジャンルがあります。クラッシックかインストゥルメンタル、と呼ばれるジャンルの音楽は、歌詞付きの音楽より集中力が高まります。集中力を高めたいなら、歌詞のないものが最適です。

創造的な作業を行うには、コーヒーショップのざわめき程度の音がちょうど良いと、専門誌『Journal of Consumer Research』の調査でわかっています。掃除機の音程度の騒音が流れている方が、かえって集中できるのです。コーヒーショップのざわめきを再現したいなら、Coffitivityというアプリを試してみたらどうでしょう。音楽は単純作業の息抜きにはちょうど良いのですが、何か新しいことにチャレンジする際には、ちょっと脇に置いておきましょう。
皆さん音楽についてはそれぞれ思うところがあるでしょうが、音楽のもたらす効果についてご理解いただけたと思います。「あなたの最強プレイリスト」の作成に役立ててください。

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